香水が変色するのはなぜ?
じつは香水の変色は珍しいことではありません。香水には使用期限の目安があり、変色はその期限を決めるチェックポイントでもあります。
しかし、そもそもなぜ香水は変色してしまうのでしょうか。その理由はいくつかあります。変色の理由によって香水を使い続けても大丈夫なのか、劣化しているから使わない方がいいのかが異なります。
アルコールが揮発して色が濃くなる
つまり少しずつ色が濃くなっていくのは香水にとって自然なこと。香りがひどく変わってしまったのでなければ、使用には差し支えありません。
沈殿物や浮遊物が発生する
もし香水瓶の中に沈殿物や浮遊物を発見したら、まずは容器を軽く振ってみてください。それで気になる沈殿物等が消えてしまったのなら、香水に含まれている成分が結晶化したものなので、とくに使用に問題はありません。
容器を振っても消えない沈殿物や浮遊物があるときは、香水の劣化が考えられます。肌に直接つけるのは避け、ファブリックフレグランスなどほかの用途での使用をおすすめします。
着色料が分解される
ところが香水自体の主成分であるアルコールは色素成分を分解させる力が強く、比較的安定している合成着色料でさえも1年程度で分解してしまうのです。
香水は茶色や黄色などに変色することが多いのですが、なかには琥珀色に変わっていく香水もあります。ただし変色の度合いが微小であれば使用には問題ありません。
香水が劣化する
しかし原料のひとつである香料は、さまざまな要因によって劣化していきます。たとえば太陽光が直接あたる場合はもちろんのこと、蛍光灯の明かりであっても香水は少しずつ劣化していきます。これは光に紫外線が含まれているからです。
また温度も香水を劣化させます。ほかにも空気に触れたり、細菌やカビ菌、酵母菌の混入も品質劣化を招きます。
可愛らしい香水容器を飾っておきたい気持ちはわかりますが、光や温度の影響を受けやすい環境下に置いておくのはやめた方がいいでしょう。
香水の沈殿物・浮遊物はなぜ発生する?安全性は?
この沈殿物・浮遊物は「澱(おり)」といって、天然香料成分に含まれるたんぱく質が原因です。もちろん香水を調合するときにろ過して澱を取り除くのですが、あまり取り除きすぎると天然成分の魅力的な部分まで失ってしまい、香水の魅力が半減してしまうことに。
澱がどのくらい残るかは各メーカーによって異なりますが、多少の澱の発生は天然成分の証でもあり、問題ないと言われています。どうしてもオリが気になるときはメーカーに相談してみるといいでしょう。
香水にカビが生えたり腐ったりすることはある?
※ただし消毒液のように、香水を手につけたからといって手指の殺菌ができるというわけではありません。
香水は香り成分をアルコールに溶かしてつくられています。アルコールといってもいろいろな種類がありますが、香水で使用されているのはエタノールといって殺菌作用が強いものです。つまり主原料に殺菌作用がある香水は、カビが生えにくく腐ったりしにくいアイテムと言えます。
香水の原料エタノールの殺菌作用により、香水そのものは細菌やカビの繁殖はしにくいのですが、容器への菌の付着には気をつける必要があります。
噴射口やフタ部分に触ってしまうと手指についている雑菌がつき、容器の中にまで菌が混入してしまう可能性もあるので、開封後はとくに容器をベタベタ触らないようにしましょう。
一般的に香水の使用期限は、未開封であれば製造から約3年、開封後は開封から約1年といわれています。未開封の場合は雑菌などの混入がないため、腐敗やカビが発生しにくく、少し長く保管してあっても使用可能でしょう。
香水の使用期限と正しい保管方法
未開封の香水は「製造から3年」が目安
化粧品は「適切な保存条件の下、製造後3年を超えて性状及び品質が安定な化粧品については、使用期限や製造日の表示義務はない」とされています。香水は化粧品に分類されているので、使用期限が記載されていない製品であれば「製造から3年」が使用期限の目安というわけです。
ただし注意しなければならない点は、「適切な保存条件の下」「製造後3年」という点です。購入してから3年ではなく、香水が製造されてから3年が最低使用期限となるので、長い間在庫として保管されている香水の購入は避けるようにしましょう。
開封後の香水は「開封から1年」が目安
保管方法によっては緩やかな劣化に抑えることはできますが、一度開封した香水は1年以内に使い切るようにしましょう。
香水の正しい保管方法
おすすめの保管場所はクローゼットの中です。身支度のついでに使用できるクローゼット内は香水の保管場所としておすすめです。香水を劣化しにくくするために大切な温度変化や光、容器の状態の管理にも適しています。
温度管理で大切なのは「高温多湿な場所を避ける」ということ。日光や蛍光灯を避けて、冷暗所に保管しておきましょう。
冷蔵庫に保管しようと思いつくかもしれませんが、香水の保管場所としてはNGです。温度が低い冷蔵庫は一見保管場所に向いていそうですが、温度が低すぎて成分が結晶化してしまうことがあるため、冷蔵庫保管は避けるようにしましょう。
香水は高温も低温も苦手ですが、それよりも温度変化に弱いといわれています。取り出すたびに温度変化が激しい保管場所や、日中と夜間の温度変化が極端な部屋などに置いておくのは劣化を早める原因になります。
また香りの成分は紫外線に弱いものが多く、香水容器を直射日光のあたる場所に置いておくのは厳禁です。また太陽光ほどではありませんが、蛍光灯の明かりにも紫外線は含まれているため、毎日部屋の明かりに照らされている香水は劣化しやすくなります。
香水を劣化させずに使い切るには?
アトマイザーを使う
小さなアトマイザーに香水を小分けして使えば、大きなボトルに入った香水は劣化しづらい状況下で保管しておくことが可能です。
量り売り香水やミニボトル香水を使う
量り売り香水とは、ユーザーが欲しい分だけの量をその場で販売すること。香水の量り売りの場合だと、店がブランド香水を自分たちで購入し、別容器に移し替えて販売しています。
ここで注意すべき点は、「あらかじめ詰め替えた商品を売っているか」「注文があってからその場で必要な分を詰め替えているか」です。
一見違いはないように見えますが、法律上、小分け製造にあたる前者はNG、分割販売にあたる後者はOKとされているのです。香水を販売するうえでの資格が異なり、もし許可をとらずに販売していた場合、違法とみなされます。
小分け製造 | 分割販売 |
---|---|
あらかじめ詰め替えた商品を販売する | 注文があってからその場で必要な分を詰め替えて販売する |
化粧品製造業許可 → 必要 | 化粧品製造業許可 → 不要 |
小さな香水を探している人は、ブランド公式製品として販売されているミニボトルを利用するのがおすすめです。
香水のサブスクを使う
香水業界でもサブスクが普及しはじめています。もちろんサブスクにおいても、先ほど述べた小分け製造や分割販売に関する違法性への注意は必要ですが、信頼できるサイトでのサブスク利用はいろいろな香水を試せるのでおすすめです。
「香水を使い切る前にいつも劣化させてしまう」「欲しい香水がいくつかあるけど全部は買えない」「特別な日にだけハイブランドな香水を使いたい」という願いを叶える香水のサブスクサービスは、劣化を心配することなく使い切れるといった魅力もあり利用してみる価値アリです。
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