塗香とは
「お香」という単語は塗香を含めたフレグランス全体を指すのに対して、「塗香」はお香のうち、粉末状の塗るタイプを指しています。
お香の1種
古くから真言宗などの密教系のお寺では、法要の前の心身のお清めのため、参拝するときの手のお清めのために塗りこんで使っていたそう。
一般的なお香にも使われる白檀(びゃくだん)などの香木に、おもに肉桂(シナモン)や丁字(クローブ)などの植物を加えて作られています。
他のお香との違い
棒状や渦巻き状、コーン型などのお香は火をつけて煙とともに香りを楽しみます。
塗香はパウダー状になっていて、手のひらに擦り込みながら自分の体温で香りを楽しむことができるのです。
葬儀の焼香に使われる「抹香」も粉末状ですが、塗香よりは粗く、炭の上にくべて熱を加えることで香りが出てきます。
そのため塗香とは見た目も香りの仕組みも異なるお香です。
深みのある香りが魅力
塗香そのものの香りだけでなく、使う人それぞれの体臭と混ざりあうことで、穏やかで深みのある壮大な香りをまとうことができるのです。
塗香の種類
高野山のお寺などで伝統的に使われてきた塗香は袋入りで大容量であることが多いですが、香りアイテムとしても使えるようにコンパクトなパッケージのものもあります。
持ち歩きしやすいタイプ
小さなプラスチックケース入りの商品、スポンジパフで使える商品、スティック状のケースに入ったコンパクトな商品など……。
使用量や使いたいタイミングに合わせてパッケージで選ぶことができるのが魅力です。
こうした香りを楽しむことを考えられた形状の商品は、カジュアルな香りに作られていることが多く、塗香初心者さんでも試しやすいですよ。
伝統的な塗香は袋入りタイプが多い
また基本的にはお寺の中のみで使うものなので、持ち運びする用途も考えられていませんでした。
こうした理由から伝統的な塗香は大容量の袋入りタイプが多いです。
しかしプラスチックケースなどに詰め替えることで、気軽に使いやすくなります。
ブレンドされる原料やその比率にもよりますが、古典的な塗香はお寺のような風格のある香りです。
お香らしい古風な香りを楽しみたい人は伝統的な塗香を選んでみてはいかがでしょうか。
塗香はおしゃれ目的で使っていい?
「おしゃれの一環として香りを楽しむために使ってもいいの?」と不安な方もいるのではないでしょうか。
答えは「使っても大丈夫」です。
本来は宗教的な意味合いで使われてきた塗香ですが、使い方に関するルールはありません。
強すぎる香りは煙たがられることもある現代で、優しく香る塗香はフレグランスとしての魅力が満載です。
塗香の伝統的なメーカーも持ち運び用の商品を製造しているので、おしゃれ目的での使用はむしろ歓迎されていると言えそうですね。
塗香の使い方
よく使われる3つの方法にポイントを絞って解説するので、参考にしてみてくださいね。
香水の代わりに
使い方は簡単で、以下の通りです。
1.塗香を手に取る。(量は1つまみ程度がおすすめ)
2.手のひらや指先で軽くすり合わせる。
3.体温の高いところ(手首、首など)になじませる。
塗香を手にとる際に細かい粒子が爪の間に挟まりやすいので注意が必要です。
指を使わず直接手のひらに出すか、小さいスプーンなどを使うのがおすすめ。
また粉末状の塗香は飛び散りやすいため、使うときには風のない屋内を選び、洋服が汚れないように注意して使うようにしましょう。
ほんのり持ち物の香りづけに
和紙の袋などにこぼれないように入れて、タンスにしのばせておけば、お洋服にほんのりとうつった香りを楽しむことができます。
またマスクにほんのちょっとの量の塗香をあらかじめすりこんでおくことで、つけている間ずっと、その壮大な香りに包み込まれている気分になれるでしょう。
また名刺入れやお財布などにそっとしのばせるのもおすすめです。
ただし洋服やマスクなどに多量の塗香がついてしまうと、塗香の粉末の色がついてしまうことがあります。
汚れのように見えてしまうので、つかないように気を付けて使いましょう。
お寺でのお清めに
2020年以降のコロナ禍には、参拝の前に手や口を清めるために置かれている「手水」が使えなくなっていた寺社が多くありました。
その際、手水がなくても手口を清めることができるアイテムとしてとくに使われることが多かったのが塗香なのです。
参拝のまえの塗香の使い方は以下の通りです。
1.塗香を手のひらにとる。(量は1つまみ程度がおすすめ)
2.手をすり合わせて指先に広げる。
3.指先を眉間(心眼)、口元にそっとふれるようにして清める。
宗派などによって細かい部分は変わってきますが、基本のお清めの方法は以上の通りです。
細かいルールは気にしすぎず、自分らしく使用するのがおすすめ。
塗香は他の香りアイテムとどう違うの?
より穏やかな香り方
自然で奥深い香りは、華やかな香水とは違った穏やかさを感じることができます。
また粉末状で量の調節がしやすいので香りの強さを調節することができるのも、塗香ならではの魅力と言えるでしょう。
天然の原料で使いやすい
また塗香は植物を乾燥させたもので、自然そのものであり、合成香料などが苦手な人でも使いやすいという点も魅力。
ベタベタしない
塗香は写経のときにも使われますが、写経用紙に手の脂や汗がつかないようにするという理由もあるのです。
緊張して手汗が気になる、手のベタベタが気になるというタイミングで使うこともできるのが魅力です。
こんなときは塗香がおすすめ
塗香を使うのにとくにおすすめのシーンは、寝る前や、自分ひとりで香りを楽しみたいときです。
詳しく紹介するので、参考にしてみてくださいね。
寝る前
お寺で大の字になって、昼寝をしているような気分を感じさせてくれる塗香の香りは、1日をリセットする時間にピッタリの壮大さがあります。
寝る前に、手首や首などの体温の高い場所や、髪の毛の先などに優しくすりこむと、横になっても塗香の奥ゆかしい香りが感じられそうです。
ひとりで香りを楽しみたいとき
塗香の魅力は、穏やかな香りとその量を調節できる点です。
そのため周りに香りをふりまくのではなく、自分だけで楽しみたいときにおすすめ。
人の多く集まる場所に行くときや、試験などの大事な局面で自分だけで香りを楽しみたいときに、普段より少なめの量を使うと良いでしょう。
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