ベンゾインとは?どんな香り?

ベンゾインは香水に使われる香料の1種で、甘くまろやかな香りから「バニラ」に例えられることが多く「安息香」とも呼ばれています。

ベンゾインとは?

ベンゾインの花
ベンゾインとは、エゴノキ科に属する「アンソクコウノキ」の樹液から抽出されるエッセンシャルオイルです。

ベンゾインのなかでも「スマトラ安息香」と「シャム安息香」の2種類に分かれます。

「スマトラ安息香」はインドネシアやマレーシアを産地とした樹木から採取されるもの。そして「シャム安息香」はタイやベトナムなどが産地のアンソクコウノキから採れるベンゾインを指しています。

ベンゾインはどんな香り?

2つのバニラの花
ベンゾインの香りは何といっても甘いバニラのような香りが特徴です。スマトラ安息香とシャム安息香では香りに違いがあります。

スマトラ安息香のほうは、甘さの中にシナモンのようなスパイシーさを併せ持っています。

香水によく使われているのはシャム安息香のほうで、「バニリン」という成分が多く含まれ、よりバニラのような甘い香りが強いのが特徴です。

ベンゾインはどんなフレグランスアイテムに使われている?

ベンゾインは古代エジプトの時代から薫香として宗教儀式で用いられたり、香料として使われたりしてきました。

現在でもベンゾインの香りは、アロマディフューザーを使って部屋全体に漂わせたり、キャリアオイルに混ぜてボディマッサージとして使用したりといろいろな使い方がされています。

ゆっくりと揮発していくベンゾインは、香水に配合されるときはラストノート(ベースノート)としての役割を担い、長い時間香りを楽しませてくれます。

レディースフレグランスでは、果実や花のような華やかな香りとブレンドさせて、女性らしいフェミニンな香水に仕上げることが多いです。

またメンズフレグランスでは、バジルやゼラニウムなどのハーブ系の香りとブレンドして、ドラマティックに変化する香水にすることが多いです。

ベンゾインの楽しみ方おすすめ3選

男性にも女性にも人気があるベンゾインの楽しみ方を3つ紹介します。

精油とアロマディフューザーを使って芳香浴

白いテーブルに置かれた木の模様のアロマディフューザー
アロマディフューザーを使った芳香浴は、誰でも手軽に香りを楽しめる方法です。

アロマディフューザーはエッセンシャルオイルの香りを部屋のなかで楽しむための器具で、水とオイルをミスト状にして拡散するタイプや、温めて蒸発させるタイプなどいろいろなものがあります。

部屋全体に香りを行き渡らせたいなら超音波式や噴霧式、玄関や寝室など狭い空間で火や電気を使わず安全に使いたいなら、ラタンのスティックでオイルを吸い上げるリードタイプがおすすめです。

インテリアとしてもお洒落な、デザイン性の高いアロマディフューザーも販売されているので色々さがしてみてください。

オイルやミツロウと混ぜて肌につける

脚にオイルを塗る女性
シアバターオイルやミツロウなどと、ベンゾインとを混ぜて使う方法もおすすめです。

人の体温で溶け出すシアバターはボディスキンケアオイルとして人気がありますが、ほとんど香りがありません。

甘い香りのするベンゾインをシアバターに少し混ぜて肌に塗ると、肌がしっとりするだけでなく甘い香りに全身が包まれます。

ハチミツを採った後のミツバチの巣から採取されたミツロウは、顔や身体だけでなく髪の毛や唇の乾燥予防に使っている人も多いアイテムです。ミツバチが口にした花によってもミツロウの香りは変わりますが、エッセンシャルオイルの邪魔をするような香りではないので、相性はいいといえるでしょう。

ベンゾインが含まれている香水を使って楽しむ

黄色の背景に1本の香水瓶
香水は1種類の香りだけで成り立っているわけではありません。いくつかの香りを調合し、時間の経過とともに香りが移り変わっていく様を楽しむことができます。

香水に使われる香りは、いろいろな種類に分けることができますが、そのひとつが時間経過によるトップノート・ミドルノート・ラストノートという分類です。

ベンゾインの甘くてやわらかな香りは、多くの香水でラストノートとして調合されています。

トップノート
香水をつけたとき、まず初めに香り始めるのがトップノートです。香水の種類によっても差はありますが、だいたい5〜10分で香りを感じることができます。

ミドルノート(ハートノート)
ミドルノートは香水に配合されている香りすべてが、バランスよく香っている状態で、香水の『顔』ともいえる香りです。だいたいつけてから30分〜数時間感じることができます。

ラストノート(ベースノート)
ラストノートはその名の通り、香水をつけてから数時間経った頃に目立ってくる香りです。ベンゾインはこのラストノートに分類され、香水をつけてから5〜6時間経過しても甘い香りを楽しむことができます。

香水の『顔』は確かにミドルノートなのですが、この香りが引き立つのはラストノートがしっかりと香り全体を支えているから。最後に香るというだけでなく、香りのベースとしての基盤がラストノートの役割なのです。

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ベンゾインの香りが楽しめる香水3選

ベンゾインが調合されている香水はいろいろあります。そのなかのおすすめを3つ紹介しましょう。

1.ゲラン「ランスタン ド ゲラン オードトワレ」

トップノート グレープフルーツ・ベルガモット・ブラックカラント・グラニースミスアップル
ミドルノート ガーデニア・ジャスミン・イランイラン・マグノリア・スズラン
ラストノート ムスク・クリスタルアンバー・ベンゾイン・バニラ
「ランスタン ド ゲラン」のテーマは『特別な瞬間』。もともとパルファンが先に発売され、その後オードトワレが続きました。

同じランスタンでもパルファンとオードトワレでは調香が異なり、香りも微妙に違っています。オードトワレはフルーティーさが強めに押し出されていて、大人の『愛』ではなくみずみずしい『恋』を表現するかのような香りになっています。

マグノリア(木蓮)の花は強い芳香性がありますが、精油の抽出はとても難しいとされています。

そのため天然のマグノリア精油をつかった香水は珍しいのですが、ランスタン ド ゲランにはタイサンボクの精油が使われており、他の香水にはない濃厚なマグノリアの香りを堪能できると好評です。

ランスタン ド ゲラン オードトワレは、天然のマグノリアとベンゾインの甘い香りに包まれて、幸福感たっぷりな香水といえるでしょう。

2.アナスイ「フライト オブ ファンシー」

トップノート タンジェリン・柚子・ライチ
ミドルノート ローズブロッサム・スターマグノリア・パープルレインフリージア
ラストノート ホワイトウッドアコード・ベンゾイン・スキンムスク
アナスイ「フライト オブ ファンシー」はクジャクをモチーフにした華やかなボトル同様、香りも明るく輝かしいフレグランスになっています。

トップノートは柑橘系のさわやかな香りで始まり、続いてバラやフリージアなどフローラルな香りが立ち上がります。

最後は安息香やムスクといった甘い香りに変わっていき、全体を通して晴れやかな気分のときにピッタリな印象の香水です。

「心の翼を孔雀のように美しく広げて羽ばたいていって欲しい」というアナスイのメッセージがうまく表現されています。

3.ジバンシイ「π(パイ)」

トップノート ローズマリー・マンダリンオレンジ・タラゴン・バジル
ミドルノート ネロリ・ゼラニウム・リリーオブザヴァレー・アニス
ラストノート トンカビーン・アーモンド・ベンゾイン・バニラ・シダー
ジバンシイの「π(パイ)」は男性向けの香水として販売されています。

つけたときは男性にもピッタリなスパイシー系の香りがしますが、時間とともに濃厚で甘い香りに変化し、女性の間でも人気のある香水です。

「π(パイ)」は円周率として知られていますが、その数字は終わりがなく無限に続いています。この香水も、人が知識や才能に挑戦し続けて欲しいという意味を込めて名前が付けられました。

ベンゾインの香りがする香水は、女性向けで甘さが強いものも多いですが、この「π(パイ)」はもともと男性向けに香調されているため、甘すぎず大人の女性が楽しむ香りとしても人気がありカップルで身に着けている人もいます。

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監修: カラリア編集部

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※ 「美白」は、メラニンの生成を抑え、しみやそばかすを防ぐことを指します。

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