フゼアとは?どんな香り?
香水としては1882年にフランスの香水メーカーであるウビガンの「フジェール ロワイヤル」が始まりとされていますが、この香水は現在販売されていません。発売当時はフランス王室が愛用していたといわれています。
フゼア系の語源はフランス語で植物のシダを意味するFougere(フゼア)に由来しています。発売当時、貴族間ではシダ植物を育てることがブームで、香りのないシダを表現するとどうなるかという想像でできたものでしたが、そこから人気を博しました。それではフゼアの香りについてもっと詳しく掘り下げていきましょう。
フゼアはシダ植物をイメージした香り
加えてフゼアやシプレなどの香水を作り出す上で欠かせない香料が「オークモス」です。オークモスは「ツノマタゴケ」というオークの枝につく苔で、ヨーロッパの湿気の多い森などに多く見られます。オークモスの香りは「土っぽい苔のようなウッディな香り」です。
フゼアにはラベンダーやオークモス、ベルガモット、クマリンなどを中心にブレンドされており、ハーブのような清潔感と渋みや青みで引き締まった男性向けの香調といえます。
ラベンダーやパチョリの香りに近い?
ラベンダーは「清潔感のあるすがすがしい香り」で、パチョリは「墨のような湿った土の匂い」と言われることが多いです。
そこにベルガモットなどの柑橘系や桜餅のようなクマリンの香りが加わるような感じで、オークモスとパチョリは似たような香調です。発売当初は、メンズのダークスーツによく合う香りということでヒットしたといわれています。
渋めのハーブや樹木・苔などやや重めのグリーンノート系に近い香りが、フゼアノートの特徴といえるでしょう。かといってマッチョな男性向けのイメージではなく、元々上流階級の男性が好んだこともあり、知的で渋い大人の男性向けの印象です。
フゼア系の香水はメンズ向けが多い
渋めで落ち着いた香調はフォーマルな場面に適しており、女性がこの香りをまとう場合は「デキる女性」「カッコいい女性」といったキャリアウーマン風の印象を与えます。
フゼア系の香水はスーツでビシっと決めた時にピッタリの格好いい香りというところが男性向けなのかもしれません。
レザーのようでいて樹木系のような渋い重厚感とラベンダーなどのツンとした爽やかさは、ヘアトニックや理髪店の香りを彷彿とさせます。
おすすめのフゼア系香水5選
「香水を買いたいけどどれが自分にピッタリ合うのか分からない」人や「女性でも違和感のないフゼアの香水を探している」という人のために、フゼアの中でも人気の香水を厳選して7つご紹介します。
ウビガン「フジェールロワイヤル」
高貴でエレガントさが際立つ男性向けフレグランス!世界の王族や貴族の人気を博したという名香です。トップでベルガモットや地中海ハーブ、ラベンダーが香り、ミドルには甘めのロンデレティアとハーブ系のゼラニウムにローズの豊かな香りが加わります。
ラストはアンバー、オークモス、クマリンなど渋くて洗練された香りへとシフト!気になる口コミですが、高評価の声は「爽やかなベルガモットと芳醇なハーブでファッションを選ばず使いやすい(女性)」や「つけた瞬間いかにもメンズ香水ですが、徐々に甘さ、華やかさが出てラストは渋甘でおしゃれ(女性)」と女性人気も高め!
一方で低評価の口コミには「全く長く続かない(男性)」や「2〜3時間後には匂いが消えた(男性)」など持続性に関するものでした。概して男女とも良い口コミが多い印象です。
ニコライ「ニューヨーク」
ラストは甘くて上品なオークモス・バニラ・ムスクの香料が漂い、男性がまとうとダンディな大人の男性を演出しますよ!
口コミで高評価の声は「春の移り変わりを感じさせてくれる香りでとても満足(男性)」や「1日中素晴らしく香る(女性)」、「イチジクのような香りで始まり、金木犀の香りに変わって5時間肌に残る(男性)」と絶賛!
低評価の口コミは「いい匂いだけどそんなに長くは嗅げない(男性)」や「重すぎず心地良いけど、3時間ぐらいしか続かない(性別不詳)」など持続性について述べられています。
ニシャネ「B-612」
ラベンダーとゼラニウムのハーバル系がトップで広がり、ミドルには爽やかさと甘さを持つシダーウッド・サンダルウッドとウッディ調ムスクのカシュメランが続きます。
そしてラストにはウッディ調のオークモスと桜餅のような柔らかさを持つトンカビーン、オリエンタルなムスクの奥深い香りがブレンド。
高評価の口コミは「トップノートからラストノートまで香りの持ちがよい(女性)」や「グリーンでフレッシュでスパイシーなバニラ。1日中続きます(女性)」など、持ちの良さが好評です。
低評価な口コミは「石鹸のようなココナッツアクセントが入った大量の甘いサンダルウッドが香り、すぐに粉っぽい香りになる(性別不詳)」や「もっとクリーミーでバニラの香りが欲しかった。フェミニンな着こなしに良さそう(性別不詳)」などが見られました。
ラルフローレン「ポロ ブルー スポーツ」
アップルとマンダリンのシトラスフルーティにミントの爽快な香りがトップで弾け、ミドルには爽やかなジンジャー・セージとフレッシュでウッディなシダーリーフが続き、ラストはサンダルウッドやオークモス、ムスクなどオリエンタルウッディ。
高評価の口コミは「柑橘系の爽快さとフゼアの渋さ・重さが最初から来て、ウッディ系の香りがずっと残る(20代女性)」や「ラルフローレンの最高の香りのフレグランス(男性)」など。
低評価の口コミは「香りはいいのにパフォーマンスが悪い」といった香りの持ちについてのコメントでした。
ゲラン「ジッキー」
トップにはハーバルなラベンダーとローズマリーに、ベルガモットやレモンのフレッシュな香りが広がり、ミドルはジャスミン・ローズのフローラルにシフト。ラストのトンカビーン・バニラの甘い香りとウッドはユニセックスな印象を与えます。
口コミで高評価だったのは「最初はキリッとスパイシー。徐々にバニラの甘さとラベンダーが混ざってうっとりするような香りになる(30代女性)」や「オリエンタルだけど甘さはなくスパイシー、都会的でシャープ(20代女性)」などの声が。
低評価の口コミは「ゲランは年齢的に早いのかも(20代女性)」や「スパイシーさが鼻につく時があります(30代女性)」など、好みと合わなかった旨のコメントが見られました。
フゼア系に似ているかも?女性向けならシプレ系もおすすめ
レジェンダリー フレグランス ⋅ ジッキー − オーデパルファン | GUERLAIN ゲラン

フゼア系の香水とシプレ系の香水は共通点が多いのですが、どちらかといえばフゼア系は男性向け、シプレ系が女性向けの香りと言われています。
フゼア系の香水とシプレ系の香水は使用する香料で共通するものが多く、柑橘系のベルガモットやレモン、ラベンダーやパチョリ、オークモスなどが使われているのが特徴。
大きく違うのはミドルノートに使用する香料です。
フゼア系香水はラベンダーやパチョリ・シナモン・セダーウッドなど渋みや重みのある香料が使用されていることが多く、パリッと決めたスーツに似合うような香りです。
それに対し、シプレ系香水はローズやジャスミンなど女性に好まれるフローラルノートの香料が多用され、トップノートに柑橘系、ミドルにフローラル系、ラストにウッディと、ストーリーが移り変わっていきます。女性にはシプレ系もおすすめですよ。