生乾き臭発生の仕組み
雑菌そのものが臭うのではなく、雑菌が増殖してフンのような排泄物を出すことで生乾き臭が発生するのです。
モラクセラ菌の繁殖のせい
じつは「モラクセラ菌」は人の皮膚にも存在する常在菌で、それ自体が臭うわけではなく、分解増殖することで臭うのです。
完全に洗い落としきれなかった皮脂や水分を養分にして、モラクセラ菌はどんどん繁殖してしまいます。
熱に弱く、紫外線に強いという特徴もあります。そして生乾き臭を取ろうとしてもう1度洗濯しても、モラクセラ菌は死滅しません。
こうした特徴から、生乾き臭を防ぐにはモラクセラ菌の発生や繁殖そのものを抑えることがもっとも大切と言えるでしょう。
参考:Moraxella Species Are Primarily Responsible for Generating Malodor in Laundry|PMC
生乾き臭の原因
濡れた洗濯物を放置している
生乾き臭の原因である「モラクセラ菌」は水分を養分にして増殖します。そのため洗濯物が濡れている時間が長いと、その分だけ菌が増えてしまうのです。
生乾き臭の発生を少しでも減らすには、洗濯後はすぐに干すようにしましょう。洗濯機の中に放置すると、洗濯機の中にも菌が繁殖するので注意が必要です。
また洗濯物が乾きにくい、梅雨の時期や秋から冬にかけての曇りや雨の日にも、生乾き臭が発生することが多いです。
できるだけ湿度が低く、風通しの良い場所を選んで干しましょう。
すすぎに残り湯を使っている
お風呂の残り湯には雑菌がたくさん存在しているので、残り湯ですすぐことが生乾き臭の原因になるのです。
生乾き臭を発生させたくない場合は、「すすぎ」段階には残り湯を使わないようにしましょう。
節水や地球環境への配慮のために残り湯を使いたい場合は、「洗い」の段階にのみ使ってください。
いちどに大量の衣類を洗濯している
洗濯槽いっぱいに洗濯物が入っていると、洗剤と水がうまく混ざらなくなってしまい、汚れがきちんと落とせなくなってしまいます。
汚れや皮脂がしっかり落とせないと生乾き臭の原因になってしまうのです。
いちどに洗濯する衣類の量は洗濯槽の約7〜8割にするとよいでしょう。大量の衣類を洗濯する場合は一気に洗うのをやめて、多少面倒でも複数回にわけて洗うようにしましょう。
生乾き臭を防ぐ洗濯方法
1.洗濯前にお湯につけ置きする
モラクセラ菌は熱に弱いという特徴があります。洗濯の前に、約60°Cのお湯に30分ほどつけ置きすることで、生乾き臭予防になるのです。
ただ衣類によってはお湯につけることで繊維が傷んでしまうことがあるので、必ず衣類の洗濯表示を確認してからおこなってくださいね。
次に紹介する「重曹」や「酸素系漂白剤」を使ってつけ置きするのも効果的です。
2.重曹や酸素系漂白剤を使う
重曹は消臭機能が期待でき、弱アルカリ性の性質が衣類の皮脂汚れをしっかり落としてくれます。
洗濯槽に約40°Cぐらいのお湯を入れ、いつも使っている洗濯洗剤に重曹を加えるだけなので簡単です。重曹の量は水10リットルにつき大さじ1ぐらいが適量です。
また市販の酸素系漂白剤を使うのも効果的です。洗濯前に40℃ぐらいのお湯につけ置きしてから洗濯するとよいでしょう。
酸素系漂白剤を使うときは熱湯につけ置きすると衣類が傷みやすいので、熱湯を使わないようにしましょう。
普段の洗濯のときに、洗剤とあわせて酸素系漂白剤を使うのもおすすめです。
3.脱水後にアイロン掛け
衣服に高温のアイロンを当てることで、熱に弱いモラクセラ菌の死滅に繋がるのです。
毎回すべての洗濯物を脱水後にアイロン掛けすることは大変なので、乾きにくくニオイが発生しそうな衣服だけおこなうのがおすすめ。
また生乾き臭が発生しやすい梅雨など、湿気の多い日にだけおこなうのも良いでしょう。
4.乾燥機を使う
乾燥機は高温かつ短時間で洗濯物を乾燥させてくれるので、熱に弱いモラクセラ菌を死滅させやすいのです。
ただし毎回乾燥機を使って乾かすと、衣類が傷みやすくなってしまうことも。
洗濯後10分だけ乾燥機を使って、その後は普通に干すようにすれば、比較的傷みは少なく済むでしょう。梅雨時期や雨の日だけ乾燥機を使うのもよいですね。
梅雨時期や雨の日のような洗濯物が乾きにくいときや、忙しくてこまめに洗濯ができないときなどは、コインランドリーを活用するのもひとつの方法です。
ただコインランドリーの洗濯乾燥機は非常に高温で、頻繁に使用すると衣類が傷んでしまうことがあるので注意しましょう。
5.干し方を工夫する
もっとも重要なのは洗濯が終わったらすぐに干すこと。濡れたまま放置する時間が長いほどモラクセラ菌が繁殖して、生乾き臭が発生してしまいます。
また洗濯物を干すときは、風通しをよくするためになるべく間隔をあけて干すことが大切です。
部屋干しする場合は乾きやすい配置にしたり、サーキュレーターを使ったりするとよいでしょう。
天日干しは乾きやすいというメリットはありますが、紫外線に強いモラクセラ菌の死滅にはつながらない点には注意が必要です。
外出先で!生乾き臭が気になるときの対処法
自宅にいる時なら着替えればいいですが、外出先では簡単に着替えもできません。生乾き臭が周りの人に気付かれたらと、冷や冷やしてしまいそうです。
そんな時の対処法について解説しますので、参考にしてみてくださいね。
携帯用の消臭スプレーを使う
除菌消臭効果のあるスプレーを選びましょう。除菌効果があることによって、生乾き臭の原因菌を除去できるからです。
香りつきのスプレーだと、生乾き臭と混ざってかえって不快な臭いになってしまうこともあるので、無香タイプを選ぶのがベター。
脇の下や首の周り、背中などを中心にスプレーします。スプレーしたところはしっかり乾かすようにしましょう。
プラスでできる!生乾き臭を予防するポイント
洗濯槽を掃除する
洗濯槽の中を掃除していないと、雑菌やカビなどでいっぱいになってしまいます。
雑菌やカビだらけの洗濯槽で洗濯をすると、洗濯物にも雑菌やカビが付着して生乾き臭の原因になってしまうのです。最低でも1か月に1回は洗濯槽の掃除をしましょう。
掃除の方法は、洗濯槽用クリーナーを洗濯槽に入れて、洗濯機を回すだけ。酸素系漂白剤で掃除することも可能です。
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