菊(キク)の香りとは
菊の花はどんな香り?
スーッとする印象は「カンファー」という香り成分によるもの。ローズマリーや針葉樹の葉にも含まれています。
カンファーは別名「樟脳(しょうのう)」とも呼ばれ、日本では古くから防虫、防臭に使われてきました。
また菊の花には「ボルネオール」という香り成分も含まれます。
ボルネオールは別名「龍脳(りゅうのう)」と呼ばれ、樟脳に似た香り成分です。樟脳よりもふくよかな印象の香りで、墨をすったときのような優雅な香りが楽しめます。
菊と似た香りの花はある?
いずれもカンファーが含まれる植物で、スーッと鼻に抜けるような清涼感があるのが特徴です。
クスノキはクスノキ科ニッケイ属の常緑性の高木。ペッパーのようなスパイシーな香りを感じられるでしょう。花が咲くとハニーグリーン系の甘みが加わります。
ローズマリーは地中海沿岸地方を原産としたシソ科のハーブです。若葉のような青みもあり、フレッシュで爽やかな印象。料理の香り付けとしても人気です。
ユーカリはフトモモ科ユーカリ属の樹木。森の中に吹く風のような爽快感があります。強すぎないさっぱりとした香りで、透明感も感じられるでしょう。
そもそも菊の花とは
菊の基本情報
日本を象徴する花の1つですが、実は原産地は中国。日本には奈良時代末期から平安時代の始めに伝わりました。海外では「マム」という名で親しまれています。
菊の品種は幅広く、種類によって開花時期も変化します。
もっとも一般的な「野菊」の開花は9月から11月頃。秋の季語にもなっており、日本各地で菊祭りなども開催されています。
夏に咲く「夏菊」は6月〜7月、冬に咲く「寒菊」は12月〜1月が見ごろです。
菊は世界中で品種改良されていて、200以上を超える品種が存在します。大きく分類すると野菊、家菊、古典菊、洋菊の4つに分けられます。
野菊:自生している野生の菊のこと。日本には約20種類ほどある |
家菊:観賞用に育てられ花屋などに流通している菊のこと |
古典菊:地域独自の発展を遂げた菊の総称 |
洋菊(マム):国外で品種改良された菊の総称 |
大菊:花の直径が18cm以上。華やかな存在感が魅力。さらに花の形によっても種類が分かれる |
中菊:花の直径が9cm以上18cm未満。一般的に流通している種類。葬儀や生け花等で幅広く使われる |
小菊:花の直径が9cm未満。1本に複数の茎をつけるのが特徴。花形や色の種類が豊富 |
日本での菊の歴史
その後、品種改良された菊は貴族から武士へ、武士から庶民へと広がっていきます。
芸術にも取り入れられ、浮世絵や歌舞伎にも多く登場。庶民の日常に普及し、和菓子や着物の模様に使われるほど大人気となりました。
明治時代に入ると華やかな大菊が開発され、観賞用としてもますます注目を集めます。
天皇家の紋章にも定められ、現在に至るまで国花として愛されています。
菊が仏花に使われるのはなぜ?
古来より菊には清浄(せいじょう)な力が宿っているとされ、高貴な姿と優雅な香りが邪気を払うと信じられてきました。
格式高い伝統ある花であることから、故人への感謝や敬意を込めてお供えするようになったと考えられます。
また菊は丈夫な花としても重宝されています。切り花にしても長持ちするので、お供えの花としてぴったりです。
菊は時代とともに品種改良が進み、1年中手に入りやすいことも理由と言えるでしょう。
菊の香りの香水
資生堂「むらさき オードパルファム」
ミドルノート:クリサンセマム(菊)、スズラン、ローズ、オリスルート、リリー、ジャスミン
ラストノート:オークモス、レザー、ベチバー、ムスク、サンダルウッド・アンバー
「むらさき オードパルファム」は菊や百合といった、日本になじみの深い和花の香りをベースとしています。
そこにローズの優雅な香りが重なり、凛としたエレガントな印象に。
洗練された知的な女性を連想させる香りです。
D.S.&Durga「ダーガ オードパルファム」
ミドルノート:イランイラン、オリスバター、オレンジフラワー
ラストノート:チュベローズ、サンバクジャスミン、ファインマス
D.S.&Durgの「ダーガ オードパルファム」はイランイランの香りが魅力的な、オリエンタル調の香水。
オリスの花に似たオリスバターの甘くパウダリーな香りと、オレンジフラワーの甘酸っぱさに、菊の爽やかな香りが重なります。
チュベローズの豊潤な甘さで全体に丸みを持たせた香りです。
香水以外で菊の花の香りが楽しめるアイテム
ハンドクリーム
JIGOTT(ジゴット)のハンドクリームには「マム(菊の花)」の香りがあります。
ほんのりと上品な香りが漂うので、職場や食事の席でも邪魔になりにくく、1日中使いやすいでしょう。
清涼感と清潔感がある菊の香りは、甘すぎる香りが苦手な人にもぴったりです。
お香
みのり苑のお香シリーズ「流雲(りゅううん)」の「香菊」は、菊の花をイメージした香り。真鍮(しんちゅう)の香立ても付属しているので、届いたその日にすぐ使うことができます。
菊の持つハーブや墨のような香りは、お香と相性ぴったり。柔らかい自然な香りなので、品格や落ち着きを感じられます。
お部屋に少しづつ広がる香りを楽しむ、優雅な時間を過ごせそうです。
ルームフレグランス
ヒヤシンスは新緑のような爽やかさのなかに、ほんのり甘さを感じられる香り。菊のハーブ調の香りとの相性がよく、すっきりとした透明感のある印象です。
ローズの香りが含まれていることで、深みのある豊潤な香りに。玄関やリビングなどで香らせれば良い気分で過ごせそうです。
伝統的な菊の香りの楽しみ方
とくに「重陽の節句」(菊の節句)と呼ばれる9月9日には、菊の花を食べたり飾ったりすることで無病息災を祈願してきました。
現代ではなじみのない風習もありますが、菊の香りが好きな人はチェックしてみてくださいね。
菊の着綿(きくのきせわた)
9月8日の夜に菊の花を真綿で覆い、菊の香りと朝露を綿にうつします。
9月9日の朝、その綿で身体をぬぐうことで若さと健康が保たれ、長生きするといわれていました。
菊の花や綿が貴重品だった時代に行われたことから、「菊の着綿」が特別な行事であったことがうかがえます。
そのまま真似をするのは難しいかもしれませんが、9月9日にはぜひ菊の花を飾ってみてはいかがでしょう。
食用菊
おひたしやお吸い物に入れて、菊の彩りや香りを楽しんだといわれています。
現代の食用菊はクセのない味に改良されていて、幅広い料理にアレンジが可能です。
サラダやちらし寿司、炊き込みご飯などに入れて味わってみてはいかがでしょう。
菊酒
菊酒の作り方については複数の記録が残されています。
・菊の花を浸した水で日本酒の仕込みをする
・砂糖と一緒に寝かせた菊の花びらを日本酒に漬け込む
・蒸した菊の花を日本酒に漬けてひと晩置く
上記のように様々な方法で菊の香りのお酒を用意し、重陽の節句を祝ったと考えられます。
完全に再現するのは難しいですが、食用菊を日本酒に浮かべて楽しむことはできそうですね。
菊湯
菊の香りを身体にまとうことで、邪気を払うと信じられてきました。
菊湯に使われる花は、野生で多くみられるリュウノウギクが一般的です。
乾燥させた花びらを使うほか、生の花を使って華やかな見た目を楽しむのもおすすめ。
ハーブのような菊の香りが蒸気で広がり、ゆったりとバスタイムを過ごせそうです。
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