FLORIS(フローリス)を代表する10種類の香水を紹介。290年の歴史をもつ英国王室御用達ブランド
ところが、創立者であるジュアン・ファメニアス・フローリス氏は、生まれ育った地、地中海に浮かぶメノルカ島の香りが忘れられず、理髪店の地下で香水を調香しはじめます。これが現在の香水業としてのフローリスの新の始まりであったと言えるでしょう。
フローリス氏は、香料にこだわりを持ち、常に上質なものを使用することを心がけていたと言います。上質な香料と、伝統を重んじる調合技術をもってして生まれた香水は、やがて評判を呼び、1820年にはジョージ4世からも高い評価を受けました。
さらに、2代目となるジョン・フローリス氏の時代には「王室御用達の理髪師および香水商」の称号を授与され、正式に英国王室御用達のフレグランスブランドとなりました。
その後もフローリスは同族経営の元、レシピを引き継ぎながら日々新たなフレグランスを世に送り出しているのです。
日本には路面店がありませんが、新宿伊勢丹店本館のフレグランスコーナーをはじめ、全国の百貨店、また、一部のハウスオブローゼでも取り扱いを行っています。
【フローリスを代表する香り】
この香りは、フローリスが誕生したジャーミンストリート89番地にちなみ、その名が冠されました。
フローリスの中でも王道かつ、正統派のメンズフレグランスです。
また、映画「007」の初代ジェームズ・ボンドが愛用していた香りとしても知られており、今なお多くの人々を虜にしています。
No89
〔トップノート〕オレンジ、ベルガモット、ラベンダー、ナツメグ、ネロリ、プチグレン
〔ミドルノート〕ローズ、オリス、ゼラニウム、イランイラン
〔ラストノート〕シダーウッド、ムスク、オークモス、サンダルウッド、ベチバー
筆者がこの香りと出会ったのはサロンドパルファンでした。No89を紹介していただいた女性の担当さんが纏った姿がとても美しく映ったのを覚えています。黒のスーツを凛と羽織り、黒髪のショートヘアをクラシカルにカールした格好によく似合い、メンズフレグランスを女性が纏う色気をまざまざと思い知らされたのです。
【フローリスのフローラルコレクション】
WHITE ROSE(ホワイトローズ)
〔トップノート〕カーネーション、グリーン、アルデハイディック
〔ミドルノート〕アイリス、ローズ、ジャスミン、バイオレット
〔ラストノート〕アンバー、ムスク、パウダリーノート
カーネーションのまだ青みのあるグリーンに、アルデハイディック(アルデヒド)のソーピィーな香りが、朝の明るい日差しの差し込むベッドを想像させます。
ミドルからはこのフレグランスの真髄とも言えるローズがふわふわと浮き出て、アイリス、ジャスミン、バイオレットといった芳しい花々のブーケに包まれるのです。とびきり優しく、清らかなローズが肌の上で踊るように香り、ラストのムスキーノートへと繋がります。
かのヴィクトリア女王や、フローレンス・ナイチンゲールも魅了されたと言われるローズフレグランスです。
BOUQUET DE LA REINE(ブーケ ドゥ・ラ・レーヌ)
〔ノート〕ローズ、ピーチ、カシス
バイオレットリーフやカシスの葉などのグリーンと、ピーチ、ベルガモットの甘くみずみずしく爽やかなトップ。ミドルからは、スズラン、ジャスミン、ローズ、チュベローズ、イランイランといった数々のホワイトフローラルが次々に顔を見せます。まるで大ぶりの花束をポンと手渡されたときのよう!ラストにはオークモスとバニラがややパウダリーな雰囲気で包み込みながら締めくくります。
まさに”女王の花束”(=ブーケ・ドゥ・ラ・レーヌ)のような香りです。
CHYPRESS(シプレ)
〔トップノート〕ベルガモット、レモン、オレンジフラワー、ネロリ
〔ミドルノート〕ジャスミン、ローズ、オスマンサス、イランイラン
〔ラストノート〕アンバー、バニラ、ムスク、パチョリ
フローリスの「シプレ」は、古典的なシプレ調を覆す、新しい時代のシプレフレグランスです。
はじまりは爽やかなシトラス。そこからじわじわとパウダリーな花々(ジャスミン、ローズ、オスマンサス、イランイラン)が広がり、一気に華やかな雰囲気へ。ラストに向けてバニラが甘さを加え、パチョリが香りをよりヘビーにしていきます。
これぞシプレ!な香調ですが、古典的な印象を持たないのはオークモスが含まれていないからなのでしょうか。シプレの香りを纏うのが初めてという方にもおすすめしたいフレグランスです。
【フローリスのプライベートコレクション】
SOULLE ÀMBAR(ソルアンバー)
〔トップノート〕ベルガモット、ガルバナム、パイナップル、レンティスク
〔ミドルノート〕ピンクペッパーコーン、ゼラニウム、ジャスミン、メリロット
〔ラストノート〕アンバー、バニラ、ムスク
スプレーした瞬間、飛び込むのは南国のフルーツたち。ベルガモットやパイナップル、レメンティスクなどのトロピカルなフルーツが軽やかに香り立ちます。
ミドルからはジャスミンをはじめとしたエキゾチックなフローラル。ラストにはこっくりと甘いアンバーが、トロピカルなフルーツと混ざり合い、たちまちリゾート気分が味わえます。
HONEY OUD(ハニーウード)
〔トップノート〕ベルガモット、ハニー
〔ミドルノート〕ウード、パチョリ、ローズ
〔ラストノート〕アンバー、ラブダナム、ウード、ムスク、バニラ
スプレーした瞬間広がるのは、軽やかなハニー。それはやがて沈香とパチョリによってお寺のような静けさのある香りへと変化し、ラストにはバニラがほのかに甘さを加え、香りをより深みへと導きます。
CHERRY BLOSSOM(チェリーブロッサム)
〔トップノート〕ベルガモット、オレンジ、ピンクペッパーコーン
〔ミドルノート〕チェリーブロッサム、オスマンサス、ピオニー、ローズ、チェリー
〔ラストノート〕ムスク、サンダルウッド
つけたてから感じられるのは繊細な桜。ここで意外にもオスマンサス(金木犀)のまったりとした甘さがハッキリと分かるくらい鮮明に感じられ、春と秋の饗宴を楽しむことができます。桜と金木犀はお互いを打ち消すことはなく、ただ凛としながらふたつの存在を感じられるのが面白いところです。
桜の香水は国内外問わずたくさんの種類がありますが、金木犀を加えたものは珍しいのではないでしょうか。
桜の季節だけではなく、金木犀が咲きはじめた秋口にもおすすめです。
【フローリスのジャーミンストリートコレクション】
JERMYN STREET(ジャーミンストリート)
〔トップノート〕ベルガモット、マンダリン、バイオレット、グリーンベチバー
〔ミドルノート〕コリアンダー、ベチバー、アルモワーズ、ジュニパーベリー
〔ラストノート〕アンバー、シダーウッド、ムスク、ベチバー
スプレーした直後に感じるのは、爽やかな風を思わせるシトラスや、葉の香り。ミドルからは、コリアンダーやジュニパーベリーが、バーから漂うお酒のように香り立ち、ラストにはウッディノートが街路樹を想像させます。
JF
〔トップノート〕ベルガモット、コリアンダー、グリーン、レモン、ライム、マンダリン、ハーバル
〔ミドルノート〕サイプレス、ジュニパー、プチグレン
〔ラストノート〕アンバー、シダーウッド、ムスク
ベルガモット、レモン、ライム、マンダリンなどのフレッシュなシトラスにコリアンダーがアクセントを加えたハーバルなトップ、サイプレスとジュニパーがウッディなミドル、ラストにはアロマティックなシダーをムスクが温かく包み込みます。
No89と比べると現代的で、より洗練された正統派のメンズフレグランスです。
SANTAL(サンタル)
〔トップノート〕ベルガモット、ブラックペッパー、カルダモン、グリーングラス、レモン
〔ミドルノート〕ラベンダー、ナツメグ、クローブバッド
〔ラストノート〕アンバー、シダーウッド、フランキンセンス、ムスク、サンダルウッド、バニラ、ベチバー
ベルガモット、グリーングラス、レモンに、ブラックペッパーとカルダモンがアクセントを加えたトップ、ミドルにはラベンダーにナツメグ、クローブバッドなどの甘いスパイスを加えたフゼアノートが広がります。そしてラストはアンバーにシダーやムスクを迎えたオリエンタルな香調で締めくくります。
スパイスがよく効いた香調はフローリスの中でもかなりセクシー。男性的な包容力も感じさせます。
時代を超えて愛されるシグネチャーフレグランス
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